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ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

じんわり2回 

2023/08/04
Fri. 15:37




これでいっか、と軽く読み流し用に手に入れた「できたてごはんを君に。」という小説が、読み進めていくうちにどんどん良くなっていって、電車でじんわり涙を浮かべてしまうこと2回。



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慌てて本を閉じる。2回。
目頭を押さえようとしてメガネに指が当たる。2回。


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穏やかな車窓 

2022/06/15
Wed. 03:23




「流浪の月」を読み始めた。
文庫化されてすぐ積読化していたものがようやく出番だ。
本屋大賞を獲ったという触れ込みでの購入で、あらすじも知らないし、私にとって初めての作家なので、どんなジャンルの小説を書くのかというのも知らない。

最近は、勧められた本以外、事前情報も予備知識も可能な限り遮断して手に入れる。
行き先のわからない、知らない土地を旅する車の助手席に座っているのような感じがいい。
5年くらい前?に宮部みゆきの小説を読み始め、ちょっとした都会派サスペンスくらいに思っていたものが、急にSFファンタジーの森に踏み込んでしまい、その予想との大きな違いに困惑したことがあるが、これはこれでまあ楽しいドライブだったと言えなくもない。



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さて、「流浪の月」、50ページほど読んだ。
言葉の選び方や並べ方が、江國香織風のところがあって、影響を受けているのでは、と邪推しながら読んでいるが、もともと江國香織が嫌いではないので、その世界に浸りながらぐいぐい読んでいる。
今のところ、助手席の車窓から見えるのは、穏やかな風景。
これから先に何が待ち受けているのか楽しみでならない。
この穏やかさのまま終着しても全然問題ない。
最近はむしろ映画や本に、こちらの方を求めているかもしれない。



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しみじみと牛歩 

2021/12/11
Sat. 04:20




何人か(よく考えてみるとお一人でした)の方に訊かれたのですが、少し前のコロッケの本は、「ひと」小野寺史宜・著です。
最近、心にしみじみと染み渡るような小説が続いていて、師走真っ只中なのに、師牛歩みたいな感じになってます。



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某高校の国語の先生に勧められた、小川洋子の「ことり」を読みました。
しみじみとしたかなしさと、しみじみとしたあたたかさが同居している話で、読了したのは師走に入るだいぶ前ですが、これも牛歩に一役かっている気がしてなりません。
相前後してますが、「ひと」よりもこちらが先です。


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コロッケの神様 

2021/11/17
Wed. 05:35




行きの電車で読み始めた小説の冒頭が、コロッケを他人に譲ったことから始まるものがたりだった。

帰りがけにスーパーに寄った。
普段はあまり目もくれない惣菜コーナーの一角に、コロッケ5個入りがぽつんと鎮座していた。
周囲には何もなく、ほんとにそこだけスポットライトが当たっているかのようだった。
さらに半額シールまで貼ってあった。
これはもうコロッケの神様が降臨しているに違いない。誰だってそう思うだろう。
今日は料理はしないと決め、キャベツの千切り5〜6人前と一緒に買った。

死にそうになって完食した。
余裕でいけると思ったが、後半は義務で食べた。
コロッケの神様ってなんなんだよ、と思いながら食べた。



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クラランスのフットクリームを今年は使っているのですが、これがなかなか良いです。


 

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革の本の皮 

2018/11/28
Wed. 05:48




お気に入りの革のブックカバーを二つ持っているのだが、一つがどうしても見当たらない。
ここ一年くらい同じものばかり使っていたので、拗ねたのかもしれない。
2時間かけて探したが、どうしても見つけられず、やや憔悴している。

現在、思うところはある。



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京都が舞台になっている小説を読み終えた。
小説の内容にはまったくと言っていいほど関係ないが、京都と、京都を訪れる人の心の距離は反比例する気がする。
外国人が日本に感じるそれと似ているような。
友人が以前、京都に5年間住むことになった。
その友人が言っていたのは、自分はたまたま京都に住んでいるんですよ、という心持ちでいれば生活しやすいのだが、いざ、京都人になろうと努力すると、途端にすべてのものが冷たく見えてしまう疎外感に苛まれるらしい。
旅で訪れるのは申し分ないが、住んで深く知ろうとすればするほど排他的に感じる。

まあ、京都に住んだことのない私には判らないのだけれど。でも想像はできるし、そうだろうなとも思う。
 


 

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2023-09