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ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

炎のチャリ男 

2010/11/30
Tue. 03:57



年明けの個展の打ち合わせに行った。
会場のある上大岡まで、綱島から自転車で行くことにした。
(Googleのルートマップでは約20km)
1時間あれば余裕で大丈夫だろうと思って出発。

信号をナメていた。

前半、たらたら走っていたのが良くなかった。
横浜駅を過ぎてからは、もう死にものぐるいでペダルを漕いだ。
漫画でみる、あの渦巻き状に回転する脚みたいに。
この展覧会を企画し、間を取り持ってくれた方も同席するので、
絶対に遅れるわけにはいかない。
しかし、漕げども漕げども目的地はやってこない。
横浜の巨大さに、僕はあのエルクの眼を思い出す。
あぁ、間に合わないなら、
いっそ車に轢かれてしまおうかな、などとも考える。
UFOとか現れて、連れ去ってくれないかな、などとも考える。
そんなことを思いながら、僕は最後の力をふりしぼり、炎の男となる。

なんとか間に合い、汗びっしょりで打ち合わせ。脚はぷるぷる。

R0015536.jpg

蒔田付近で空気が明らかに変わる。
顔にぶつかる風の温度が急激に下がった。

帰り、ポケットに入れていた手袋の片方を落とす。
泣いた。







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2010-11