ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
手紙
2011/11/30
Wed. 01:37
旅が趣味で年に何度も日本を離れ、毎回訪れた国から便りを送ってくれる、「溌剌」とか「闊達」とかを実体化したような知人がいる。
震災以降ずっとその便りがなく、ちょっと心配していたのだが、先日、ブータンから書きつけた言葉がとどいた。
やっぱりあいかわらず元気なんだな。と嬉しくなった。

私が十代のころは電子メールなど一般化しておらず、電話以外の通信手段といったら専ら手紙だった。
小学生のときに、先生同士が知り合いだったのか、それともなにか別のつながりがあったのか記憶にないが、クラスの生徒全員が、東京の仲六郷小学校(たしかそう)のあるクラスの生徒たちと、1対1対応の文通を始めたことがあった。
私の相手は女の子で、ぽつぽつと送られてくる「東京」を垣間みることのできる手紙にわくわくし、私は私で、彼女を楽しませるためには何を書いたらいいのか、わりと真剣に悩みながら文字を綴った。
実は、その子とのその通信はびっくりするぐらい長く続く。
当時の友人にも言ってないと思うので、初告白みたいなものだ。(言ったかな?)
高校に入ると、彼女がどんどん大人びていくのがわかった。
たまに同封されてくる写真は、あ、やられた!みたいなものばかりで、田舎の少年には刺激が強すぎた。
葉山で知り合った大学生がどうのこうの・・・なんて書いてあろうものなら、胸が締め付けられ、次の日は部活のテニスコートで普段以上に死んだ。いつも過酷な練習で死を与えられていたが、その日は自分から死ににいった。
つきあっている彼女いたけど死ににいった。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
音信不通になってだいぶ経つが、いまどうしているのだろう、と思い出すときがある。
フジテレビの某アナウンサーと同姓同名の女の子だった。
[edit]