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ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

おちていく 

2010/11/16
Tue. 04:01


IKEAに行った。
レジを出てすぐにあるビストロで、ホットドッグを買う。
セルフサービスのピクルスとフライドオニオンを大盛りに、
ケチャップとマスタードは軽く波線をひいて、かぶりつく。
ぼろぼろとそれらのトッピングがテーブルや床に落ちる。
口の中に入るものより、落ちるものの方が明らかに多い。
黄色いのとか赤いのが、顎や鼻にまでつく。
舌で回収しようと試みるが、届かないところまで侵出している。
みんなどうやって食べているのだろう、と思って周りを見渡す。
なにかしら技があるに違いない。
斜め前のモデル同士のような華やかなカップルは実にスマートに食べている。
こういう人たちは何をやっても様になるように生まれてきているんだなあ、と感心する。
そのうち、目がかすんで彼らがよく見えなくなる。
技が確認できない。
洟をすすり、目を閉じて、黄色や赤に染まっているだろう口で長いため息をつく。
横に目をやる。
小さい男の子が口の周りにケチャップをつけて美味しそうにホットドッグを食べている。
よかった、僕だけじゃなかったんだ。
安心して、僕は最後のひとくちを押し込む。
そして晴れやかに駐車場に向かって歩き出す。

下の方から、ぱらぱらとかすかな気配がし、歩きながら足下に目をやる。
コートの袖から、フライドオニオンがぽろぽろぽろぽろと落ちていく。
ぽろぽろぽろぽろぽろぽろ。
「種まく人」のようだ。
僕はその、ミレーやゴッホの描いた絵のように、胸を張ってまっすぐ前を見つめる。
IKEAよ、この種を育てるがいい。
そして豊穣の大地となって、大きな作物を実らせるのだ。
現実を直視できずに、そんなことを思う。

DSC00366.jpg

うちのマンション、恥ずかしながらプロパンなんです。
先日、一ヶ月目の使用料が来て、びっくりしました。
高すぎる!




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2010-11