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ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

 

2011/09/27
Tue. 03:37



小さいころ、「公一」とわずか五画で終わってしまう名前が物足りなくて、「慶晴」などのしっかりとした建築のような画数の多い文字の名前に憧れた時期があった。
「公」という字はすかすかの上に、斜めの線でほぼ構築されているため、書いたときのバランスが非常にとりづらく、うまく書けなかったこともある。
困った人の顔のように見えてしまうところは愛着を持っていたのだけれど。

小学校の名札を自分で書くようにと言われた頃だから、たぶん10歳かそこらだと思う。字のうまい従姉がいて、彼女の書く「公」の姿がとても美しいことに気がついた。私の書く「公」がなんだかちょっとにおってきそうな「公衆トイレ」の「公」だとすると、彼女の書く「公」は「公家」のそれだった。そのとても品の良い「公」を必死に真似をした記憶がある。


IMGP3175.jpg


両親は「おおやけで一番」になるようにと願いをこめてこの名前をつけてくれたらしい(さらに画数も非常に良いらしい)が、どう考えても、一番どころか抜群の安定感でほぼ末席に腰をおろしている。
親不孝でごめんなさい。

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2011-09