ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
この世の終わりの朝
2012/10/01
Mon. 23:28

朝、台風一過のベランダの鉢植えはどうなっているだろう、と見てみると、オリーブの鉢がひとつ横になっていた。
ベランダに降りて、よっこらしょと鉢を直した直後、もうそれこそ、この世の終わりを垣間見せられたような出来事に遭遇する。
ドスの効いた悲鳴はたぶん隣室と、下を歩く登校中の小学生たちにも聴こえたはずだ。
オリーブの枝にものすごく大きな芋虫がついていたのだ。
それも1匹だけではなかった。部屋にすぐさま退去し、すこしだけ冷静さを取り戻して、窓越しにくまなく探してみると、5匹もいる。
どでかい芋虫が5匹。人生終わった。と思った。
昨日の日中には絶対にいなかった。間違いなくいなかった。こんなにでかいものを葉と土の状態をみたときに見落とすはずがない。どっから湧いて出たのか。だれか私に納得のいく説明をしてほしいと切に思った。
急いでネットで調べると、スズメガの幼虫(画像検索に飛びます。苦手な方はクリックしないでください)で、すぐに捕殺しないと我が家の小さなオリーブなんかすぐやられてしまいそうだ。
決心した。捕殺はしないが、取っ捕まえよう。
ワリバシをとりだし、死んだ気になって、はさんで枝から剥がそうとしたが、しがみつく力は強力で、まったく剥がせる気がしない。
これはだめだと諦め、泣く泣く仕事に行った。
いま、まだいる。
明日の朝、もう一回この世の終わりを味わう。もう枝を切る決心をした。
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