fc2ブログ

ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

もってのほか 

2012/10/18
Thu. 04:00



実家では、この時季になると、毎日のように菊の花が食卓にのぼった。
「もってのほか」と呼ばれる薄紫色をした食用菊で、花弁の一枚一枚がペーパーナイフのようにすっとしていて高貴な印象なのだが、さっと茹でると、そのぴんとした姿が一瞬にして、くてっとなってしまう。かっちりとスーツで決めた仕事のデキるOLが、好きな男を前にするとぐにゃぐにゃになってしまうような感じ。わかんないけど。


R0018568.jpg


こどもの頃は、新聞紙をテーブルに敷いて、そんな花びらを祖母と一緒によく萼から摘み取った。
摘み取り方にもこつがあって、指先で花弁の付け根をつまみ、ゆっくりと少しずつ力を加えながら摘む。その萼から花弁をひきはがすときの感触は極めて独特で、他に似たものがない。


R0018544.jpg


こちらではあまり「もってのほか」を見かけない。
黄色の菊と、似たような紫色をした花びらの短い品種ばかりだ。写真はそんなふたつ。



[edit]

CM: 2
TB: 0

page top

2012-10