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ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

拒絶する器 

2013/11/15
Fri. 04:32




ある種の器には、その器が許したもの以外入ることを拒絶するという性質を持つものがあります。

シャンパングラスやワイングラスのような特殊性の高いものはもちろんそうなのですが、ごくごく一般的な、何にでも利用可能のようなものの中にもそんな頑固さを持つものが稀にあるような気がします。
というのも、友人がつくった茶碗(なぜかカップと呼べない)が今年やってきたのですが、これがとにかく珈琲以外受け付けてくれないのです。

(コーヒーカップだから当たり前じゃん、と一笑に付してしまわれるかもしれませんが、そこから一歩踏み込んだ世界というか)

色は言うに及ばず、手触りとか、持ったときの重さとか、湯気の立ち昇り方とか、唇にあたる感触とか、テーブルに置いたときの音とか、そしていちばん大切な、珈琲の味だけを引き立たせるなんだかよくわからないけれど振動って言うんですかね、そんなようなもの(なんだこの幼稚な表現は。自分で書いていて笑ってしまった)がこの茶碗は持っているのです。

この中に入っていいのは珈琲だけなのわかるでしょ。と茶碗自体が語っているようで、なんだかおもしろいです。



IMGP5706.jpg



もちろんその逆にすべてのものをこころよく受け入れてくれる、ふところの広くて深い器もあります。それはそれでものすごく重宝するんですね。


おそらく作家がその器をつくっているときに頭の中に思い描いたものが、その器の許容になるのでは、なんて勝手にチョーテキトーに思っているわけです。


[edit]

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この記事に対するコメント

イイなぁ~これ!
ステキな器ですね!作者が心を籠めて作ったんだろうなぁ~
ゆっくりくつろげそう~お似合いですよ♪

sake #25LHt37Y | URL | 2013/11/17 13:15 * edit *

Re: タイトルなし

イイでしょ〜(笑)。とってもくつろげます。
この器、内側の釉薬具合もとてもいいんです。

KOY #- | URL | 2013/11/18 00:07 * edit *

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