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ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

禁断の「ス」 

2017/12/12
Tue. 06:05



Steve氏、パートナーのRobinさんに、ギャラリーでお会いした。
お二人ともたいへん魅力的で、一緒にいて心地よい。
名前を漢字で書いてください。とのご要望があり、OK。と即答。

先に"Robin"さんから。
葉の上の朝露がこぼれ落ちて、透明のガラス瓶に満ちていくイメージ。
「露瓶」。
ガラス瓶は彼女の心であり、朝露は彼女を感動させる素のようなもの。
なんて美しいんだろう、なんて自画自賛しながら書いた。

さて、"Steve"氏。
「露瓶」に負けない情景や心象、意味が必要だ。
「ス」。
「酢」しか思い浮かばない。
他に何か「ス」、他に何か「ス」、と焦るも「酢」しか出てこない。
どうしよう、どうしよう、紙を前にして深く瞑想している姿を装いながら、大パニックに陥る。
とにかく「酢」しか出ない。米酢、牡蠣酢、三杯酢、いろんな酢が脳裏を駆け巡る。
これはいかん。別の箇所で区切ってはどうだろう。
「捨異父」。
こんなのしか出てこない。田中慎弥に書かせたらすごい小説になりそうなタイトルだ。
数分後、大量の脇汗とともにひねり出した最終手段が、訓読頭一文字を音にするという禁断の技だった。
「優丁武」。
「優れる」の「す」だ。
意味は「露瓶」に勝るとも劣らない。
「露瓶優丁武」と並べてみたら、杜甫の書く五言律詩の一節のようではないか。
「優丁武」。
"YouTube"に近いのは否めない。



space水



Steve氏、Robinさん、お二人にお会いできたことを本当に嬉しく思います。
この機会をつくってくださった、フジムラ・コンテンポラリーアートの藤村社長にこの場を借りてお礼申し上げます。
また、スタッフの皆様、そしてすべてのお客様に感謝いたします。
ありがとうございました。


 

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