ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
墨も記憶も飛ぶものはなんだって飛ぶ
2019/08/25
Sun. 02:10
こどもに教えているときに、お気に入りの麻のパンツに墨が飛んでしまった。
頭が真っ白になったまま夢遊病者のように帰宅した。
どうやって帰ってきたのか、いつの間にか家に着いていた。
手にはパンの入った袋を持っていた。
帰りに買ったらしい。本当に買ったのだろうか。ぼんやりとした記憶しかない。
ぼうっとしていたらパンが無くなっていた。
食べたのだろう。お腹がふくれていた。
歯を磨こうと洗面所に行くと、洗面台で麻のパンツが水に浸かっていた。
帰ってきてすぐに手洗いしたようだ。
おそるおそる問題の箇所に目を走らせた。
北斗七星のように並んだ黒点が不敵な笑いを浮かべていた。

そういえば去年の夏も薄灰色のポロシャツの背中に墨が飛んだのだった。
「きゃあ先生、背中!」と女性スタッフが教えてくれた。
こっちは天の川のように飛んだ。
そのときも西麻布からあっという間に家だった。
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