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ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

凍えた硬貨 

2013/02/19
Tue. 00:24





革の財布は、場違いなつつましやかさを身にまとって、ゴーヤの横に鎮座していた。
僕は笑ってしまうほどほっとしてそれを取り上げる。
相棒を失ったゴーヤは少しのあいださびしそうにしていたが、すぐに本来の無骨さを取り戻し暗闇に消えた。
革はひんやりとこわばり、ファスナーもそのせいか滑りがよくなかった。
財布を手のひらで包んで温める。
中の硬貨が触れて鳴るかちりという音は、いつも以上に高く澄んで聴こえた。


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